5月のスタートであるゴールデンウイーク期間中は、円高警戒でしたが、米経済データよりは、トランプ大統領の対中貿易関税引き上げの話題でキックオフ。さらには、ファーウェイにを監視対象企業リスト入りと発表で、米株式市場がリスクオフに反応。米中貿易交渉は、進展どころか対立の溝が深まる一方です。また、政治的なリスクであるBrexit話題も、交渉に入るどころか、相次ぐ閣僚辞任、労働党との協議が破断し、保守党内からのメイ下ろし圧力で、ついにメイ首相は6月に辞任という展開になりました。欧州議会選挙は、ほぼ予想の範囲内の結果となり、懸念されていた極右・ポピュリスト政党の躍進は抑えられ、どの政党も雄性とはならずにバランスが取れた格好ですが、対立の構図になったことが、ユーロの重しとなっています。
 このような政治的な話題が対立構造となる中で、米独金利が低下し、米債券市場では久しぶりに長短金利が逆転しました。リスクオフ的な地合いが継続されるのかどうか。5月が、政治的な話題で盛り上がった月ならば、6月は各中央銀行会合が目白押しの月。各経済指標とも絡んで政策金利引き下げ機運が高まるのかどうか。当社メンバーでも意見が分かれてきているようです。6月予想レンジと、注目ポイントをみてみましょう。

サマリー及び見通しはマンスリーレポートをご参照ください。
ドル/円 (USD/JPY)
【投票受付中!】誰が的中するか!?(印 は2019年5月末時点の予想レート) 
GWから、米政権から対中国関税引き上げをきっかけに、対中国圧力が高まっています。中国企業に対する監視対象リスト入りが発表されてからは、米企業への影響・世界経済への懸念から米株式市場も軟調地合いに転じています。6月にはG20サミットで、米中貿易交渉再開の可能性を見出せるのかどうか。6月のFOMCにおいては、政策金利変更の可能性を市場は織込んでいませんが、ISM指数などの米経済指標を受けて、どのようなスタンスを示すのかも注目されます。
  一方、ドル円の水準は110円台を割り込んでいることから、上値では国内輸出やヘッジニーズの売りが待ち構えている一方、国内機関投資家など外債投資興味に加え、欧州政局の弱さからくる消去法的なドル買いサポートもあり、最近のリスクオフは、「ドル買い」「円買い」が競り合う展開になるのでしょうか。米金利・需要が勝るのか、それともリスクオフが抑えるのか。当社メンバーの間でも意見が分かれており、若干下落目線が多いようです
ユーロ/円 (EUR/JPY)
5月の欧州の最大の話題といえば、欧州議会選挙。結果としては、事前予想よりはマイルドになりました。懸念されていた極右・ポピュリスト勢力は議席数を伸ばしましたが、上積みはなし。一方の最大会派の2党の議席数減は若干少なめ。票を伸ばしたのはリベラル派と緑の党(左派ではありません)。この微妙なバランス状態で、次期欧州委員長などの重要ポストを決めていく期間に入ります。
 欧米貿易交渉、ドイツ経済の減速という不安材料がある中、EUをけん引してきたドイツおよびフランスの両TOPの求心力低下も相まって、イタリアとの財政問題に絡んだ政局不安が出てくるようであれば、リスクオフ地合いが上値を抑えていきそうです。
 当社メンバーでも多くが欧州政治対立が重しとみていますが、そこは対円の展開なのか、ドル円の地合い次第では、反発の可能性もあるとみるメンバーもいます。
ポンド/円 (GBP/JPY)
注目のBREXIT交渉は、ついに空中分解の様相。何とか合意案を承認させようとあがいていたメイ首相の辞任が決まり(6月中)、次期保守党党首(次期首相)選に向けてイギリス国内はこれからが政治の本番のようです。 イギリス国民はとにかく「離脱」優先のようなので、離脱強硬派が優勢になりそうですが、どの候補であっても、EUとの交渉はかなり難航するでしょう。(EUは前回合意案の修正には応じる気配がありません) 欧州議会選挙に参加したことで、次回の期限である10月末に向けて期限延長を再申請する展開にが順当のようですが・・・ また、総選挙・再国民投票を行ったとしても、肝心かなめのアイルランド国境問題が解決できるのかどうか。「合意なき離脱」の可能性が高まっているような地合いです。当社メンバーでも、先行き不透明感が増す意見が多く、下落予想が優勢です。
豪ドル/円 (AUD/JPY)
米中貿易協議は、平行線のまま、対立が深まっている様子です。中国依存度が高いだけに、米中通商協議に明るい見通しが出てくるまでは、需要とリスクオフの重しで上値は限定的になりそうです。5/30に発表された民間設備投資計画は-1.7%と大幅ダウン。さらに、中国統計局の製造業PMIは49.4と下落し、6月のRBA理事会において利下げ見通しがかなり上昇しています。6/3(月)に発表されるCaixin(財新)PMIの数値においても低下傾向であれば、RBA理事会としては、今後の見通しにおいて、利下げを示唆する内容になるのかどうか。
 気になるポイントとしては、IMMポジションにおいては、すでにAUD(豪ドル)売りポジションがかなり積みあがっていること。対ドルベースですので、豪金利より米金利低下の話題がクローズアップされた場合には、ポジション調整的な買戻しが入る可能性があります。当社メンバーでは下落予想が多いです。
NZドル/円 (NZD/JPY)
先月の経済指標に続いて、GDT(Global Daily Trade)での乳製品価格の伸びも、5月21日ではついにマイナスに転じ、中国依存度がオーストラリアよりは低いとはいえ、アジア需要低下は大きなマイナス要因です。5月のRBNZ理事会では、政策金利を引き下げ、声明内容でも依然慎重姿勢がみられることから、市場では年内にもう一回利下げを市場では見込んでおり、6/20発表の四半期GDPの数値が注目されます。
 ただ、対ドルでは米金利との金利差次第という面がありますので、米金利低下であれば、対円下落をけん引するのは、ドル円次第。米中貿易交渉という点でG20で進展がなくば、対円での下値(2019年1月 69.249、2016年6月 69.05)がサポートできるかどうか。史上最安値(2011年3月、54.86)から見た上昇の61.8%調整、69.785)もあり、要注意ですね。当社メンバーでは下落予想が多いです。
ユーロ/ドル (EUR/USD)
6月のECB理事会では、これまでに示されたTLTROの概要が示されると思いますが、欧州の景況感という点では、すでにPMI数値が低下しており、織り込み済み? 欧州議会選挙前後で話題のイタリア予算に対するEU側との対立という点で見れば、イタリア経済救済という指摘も否めないような。そのため、イタリア国債は売られ、ドイツ国債が好感されるというクレジットリスクが意識されています。
 欧米貿易交渉も不透明感が増しており、米政権側は関税攻勢をかけてきています。欧州景況感の反発が見通せないうちは、ユーロの上値を抑えてきそうですが、IMMポジションでは十分に売りポジションが構築されてきています。USD(米ドル)売りの局面があれば、短期的な反発を見る可能性があり、6月19-20日のFOMC前の米経済指標では、注意しておきたいです。また、中東に対する米政権との地政学上リスクが高まれば、相対的にユーロ好感という可能性もあり得ます。当社メンバーでも若干ユーロ軟調という見通しでしょうか。
ポンド/ドル (GBP/USD)
EUから示された期限延長シナリオの中で、結果的に10月末のオプションになったBrexit話題。メイ首相が、合意協定案を可決させようと奔走するも、保守党内が分裂し、労働党との話し合いも平行線で、メイ首相自身が辞任に追い込まれる結果となりました。そして、イギリスは欧州議会選挙に参加することになったのですが、2大政党を抑え、Brexit党第1党に(イギリスに割り当てられた議席数で)。イギリス国内でも、まずは「離脱」志向が強く、6月に実施される保守党党首選での次期首相に注目が集まっています。ただ、EU側は合意案を修正するスタンスにないことから、「合意なき離脱」の可能性が高いとみれば、イギリスポンドは欧州景況感減速と相まって、ポンド安傾向が継続しそうです。IMMポジションでも、ショートが構築されたばかりで、まだ積みあがる余地があります。当社メンバーでも、下落予想が多いです。
豪ドル/米ドル (AUD/USD)
5月RBA理事会では、政策金利を据え置き。ただ、その後の雇用統計、小売売上高、民間設備投資と弱い数値が続けば、6/4のRBA理事会では利上げをすると市場では見込んでいます。節目とみられた0.7000を割り込んで、米金利低下とIMMポジションショートに加え、オーストラリア国内の実需(輸出)からのAUD買い興味がある中で、将来的な見通しがどうなるのか。市場関係者では、年内2回の利下げを見込んでいるようですが、まずはBuy on Rumor, Sell on Factで調整局面がどの程度あるのか見極めたほうが良いかもしれません。そのうえで、米中貿易協議の行方次第での動きになりそうです。当社メンバーでもややレンジの中で、若干下落優勢でしょうか。
NZドル/米ドル (NZD/USD)
5月RBNZ政策金利を引き下げました(RBAと同じ 1.5%)。景況感に対しては、やや慎重姿勢の当局です。今月のGDP(6/20発表)が気になりますが、それ以上に米中貿易協議の進展がNZDの重しとなっています。対円の欄でも述べていますが、GDT価格が下落し、アジア需要が低下している状態では、慎重でしょう。ただ、リスクオフという点での売り圧力があるものの、米金利も低下しており、米NZ金利差縮小という点と、NZD安で輸出筋としては恩恵があることから、対ドルでの下落幅は小幅にとどまる可能性があります。当社メンバーでも、レンジ内での下落を想定する感じでしょうか。
まとめ
今年のGW(ゴールデンウィーク)終盤に、リスクオフ地合いに転じてきました。「セル・イン・メイ(Sell In May)」があるのかなと、思っていたのですが、現状では、しっかりとその展開で終わりそうです。6月は5月の流れを受け、引き続き軟調地合いになりそうですが、さて、どこまで?
 「もうは、まだなり、まだはもうなり」
 よく聞く格言ですが、「ここまで上がればもういいだろう」「ここまで下がればもういいだろう」と思うものですが、さらにその水準から上がったり下がったりすことが多々あります。
逆に、まだ上がるだろうとか、まだ下がるだろうと思った時は、実際はそこが相場の天井圏であったり底値圏だったり。
何がというわけではありませんが、市場というのは面白いもので、全世界の参加者が参加している市場ですから、思いも様々。さて、このリスクオフ傾向は、もう?それとも、まだ? カギは やっぱり、あの人でしょうか。
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