年度にはいり、最初の月の4月は ドルの切り返しとなりました。
米中貿易不均衡での鉄鋼やアルミニウムの輸入関税は、中国や日本などは関税を賦課されたものの、欧州やカナダなどは適用除外されたこと、習近平・中国国家主席がボアオ経済フォーラムで輸入拡大や保険等の分野での外資のアクセス加速、知的財産分野での保護の拡大など開放政策を掲げたことで懸念が緩和、トランプ米大統領と金正恩・労働党委員長の米朝首脳会談の実現の可能性が高まったことでリスクオフとなりました。また、トランプ政権はFRB副議長にリチャード・クラリダ米コロンビア大学教授、理事にミッシェル・ボウマン米カンザス州法銀行監督局監督官を指名、どちらかというと法務色が強かったFRBのボードメンバーに、金融専門家が加わる可能性が高くなったことで米10年債利回りが3%を超え、ドルは一時109.45円まで上昇して、主要な通貨の中ではドルが強くなりました。当社社員の5月月間の予想レンジは?注目ポイントは?。

サマリー及び見通しはマンスリーレポートをご参照ください。
ドル/円 (USD/JPY)
邦対外証券投資のフローは新年度に入り確認されているようですが、米金利上昇からの米株式下落を予想するメンバーが複数います。相場格言の、「Sell in May, and go away; don't come back until St Leger day. (5月に売って、9月の第2週まで戻るな)」を指摘するメンバーも複数います。ドル高となった場合のトランプ政権の牽制を警戒する声がある一方で、米6月FOMCでの0.25%の利上げが5月1-2日のFOMCでほぼ100%織り込まれるとみているメンバーもいます。4月から一転してメンバーの多数が上昇を予想しています。
ユーロ/円 (EUR/JPY)
州中央銀行(ECB)は26日の理事会で10月以降の資産購入の議論がされなかったことで、ユーロは下落傾向となっています。また、「Sell in May」の格言から、円高傾向を見ているメンバーが多く、ほとんどのメンバーは、下落を予想しています。上昇予想のメンバーは、リスクオンでの円売りとユーロの下落が相殺されるとみており、上昇ながらも基本はレンジとみているようです。
ポンド/円 (GBP/JPY)
いつぐ経済指標(消費者物価指数、小売売上高、平均賃金)の下振れで英央銀行(BoE)による利上げ期待(次回会合は5月)が後退しました。そのためか、4月から一転して、上昇を予想するメンバーが皆無です。Brexit交渉が遅々として進まず、EUの関税同盟の誘いをメイ首相が乗り切れるのか、Brexit交渉の盲点はないのかなど、不透明要因がポンドにマイナスに働くとの見方も。
豪ドル/円 (AUD/JPY)
中の貿易不均衡問題は習近平・中国国家主席が開放政策を表明したことで緩和方向に向かっていることから、豪ドルの堅調推移を予想するメンバーが少数、商品価格の上昇、本邦の豪ドル買いフローに支えられると予想するメンバーが1人、豪準備銀行(RBA)の利上げ時期の後ろずれをRBAが歓迎するものの、リスクオンからの豪ドル上昇を予想する声があり、多くのメンバーが上昇を予想しています。
NZドル/円 (NZD/JPY)
NZ準備銀行(RBNZ)のハト派的なスタンスがNZドルの下落を継続させるとの見方、「Sell in May」がリスクオフとなり、NZ下落を予想するメンバーが複数、米ドル/円が反転下落した時に連れ安となると予想する声も。その一方で、NZ経済の緩やかな拡大基調が続くのではとのプラスの見方、対米ドルでの下落が一巡すれば、NZドル/円は反発するとの見方があります。一目均衡表/転換線の79円あたりまでは難しいとの予測も。半数強が下落を予想しています。
ユーロ/ドル (EUR/USD)
州中央銀行(ECB)は26日の理事会で10月以降の資産購入の議論がされなかったこと、米長期金利の上昇からユーロは対ドルで下落、下げが加速する可能性がありそうです。ECBの利上げ方向には変化がなく、下値は堅いとみるメンバーもいますが、全員が下落を予想しています。シカゴIMM非商業ポジションで唯一ドルに対してロングが溜まっている通貨としての警告を発しているメンバーも。ドイツ経済を懸念するメンバーも。
ポンド/ドル (GBP/USD)
5月10日はスーパーサーズデイ、英央銀行(BoE)の金融政策委員会、同議事録公表、インフレレポートの公表が同時に行われます。ここでの0.25%の利上げを予想しているメンバーが2人。ただ、全員の予想は下落です。利上げを予想していないメンバーの方が多く、BoEが慎重姿勢を取ることでのポンドの重さを指摘する声が多数です。英米の金融政策のコントラストの違いへの指摘が多いです。
豪ドル/米ドル (AUD/USD)
油上昇など、コモディティの上昇がサポートとなるとの見方が数名、豪準備銀行(RBA)の利上げが年内絶望的であるため、米豪金利差拡大からの豪ドル下落を見込む声も。米中貿易不均衡は解消に向かうとのメンバーが1人。中国経済の減速の指摘も。長期スパンで0.75-0.80のレンジで、レンジ下限での反発を見込むメンバーも。半数以上が上昇を予想
NZドル/米ドル (NZD/USD)
NZ準備銀行(RBNZ)理事会での政策金利の据え置き予想が複数、ハト派的な声明を受けての軟調地合い継続が多いようです。輸出(最大輸出品目の後退)を懸念する見方、チャートで見ても、週足/一目均衡表/雲のねじれでくらいしか反発するチャンスがないと、トレンド転換を探すのが難しいとの声も。一方で、NZドルの売り一巡となり反発があるかもとみているメンバーがいます。総裁代行の適正水準発言で0.70 - 0.72ドル付近では下支えされるとの見方も。下落予想が大半
まとめ
5月は前半に主要な経済指標、金融政策発表などのイベントが続きます。日本はゴールデンウィークで市場参加者が減少する時期で、円高にも円安にも動きやすい時期でもあります。米中貿易不均衡での貿易戦争は回避されつつありますが、トランプ米大統領の保護主義的な思考は変わる可能性が小さく、政権内部にも自由貿易派がいなくなったことで、政治的な思惑から市場が振り回される可能性があります。

相場の王道はトレンドに乗ることです。足許のトレンドは米長期金利の上昇、ドル上昇です。米5月1-2の米FOMC、4日の米雇用統計に一喜一憂することなく、トレンドの継続を見極めるのにはゴールデンウィークはちょうど良いかもしれません。警戒は米中間選挙を控えて、ドル高を容認できないトランプ政権でしょうか。


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