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執筆日時:2018年11月2日 11時00分
米国雇用統計の予想と戦略


11月2日(金)21時30分は米雇用統計。米雇用統計と言えば、FX投資家ならば誰でも知っている月に一度のビッグイベントです。米国の金融政策に直結するだけに、発表前後には為替相場が大きく動くことが多く、市場参加者の関心も高くなっています。


前回(10月5日発表)のおさらい


9月雇用統計(10月5日発表)では、非農業部門雇用者数が市場予想の18.5万人増を大きく下回る13.4万人増と冴えない結果となりました。また平均時給は前月比、前年比ともに市場予想通りで8月雇用統計の好結果と比べると賃金上昇が足踏みしている結果となりました。一方で失業率は3.7%と約半世紀ぶりの水準に低下、また非農業部門雇用者数の前月分が大幅に上方修正(20.1万人→27.0万人)されており、雇用統計は強弱入り交じる内容となり発表直後は乱高下となりました。米長期金利の上昇により一旦はドル円が114円台に乗りましたが、金利上昇を嫌気して米国株が下落したことが重石となり徐々に上値を切り下げる動きに転じました。
[前回発表前後の米ドル/円の動き]
出所:上田ハーロー, Bloomberg
今回(11月2日発表)の見どころ


■平均時給(前年比)が約10年ぶりの高水準となる市場予想
今回は前年比3.2%の伸びが予測されています。前回9月の雇用統計では失業率が歴史的な低水準となり雇用状況が逼迫していることが改めて示されました。また直近では雇用者数の伸びが減速し、労働参加率が62.7%程度で頭打ちの状況になっています。人手不足で労働者有利な状況となる中、企業の求人に対し雇用者が増えにくい状況と言えます。これまでと同水準の賃金では人材確保が難しい状況と考えられ、雇用の逼迫が賃上げ圧力を高めているかに注目でしょう。賃金上昇圧力は少なからず存在すると思われ、市場予想に届かずとも8月雇用統計で示された2.9%程度の伸びに期待できると思います。


■非農業部門雇用者数の減速は悪影響とはなりにくい?
9月雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を大きく下回る結果となりました。その背景にはハリケーンによる被害による一時的な要因もあるでしょうが、失業率が4%を下回り完全雇用状態とされる状況が7月雇用統計(8月3日発表)から継続しており、企業が十分に採用を行えないことが主たる要因と考えられます。前述のように人手不足で売り手市場の状況が続いており、労働者がよりよい条件の職場を求める傾向も強まっていそうです。そのため雇用者数が伸び悩んでいたとしても悲観的に捉える必要はないかもしれません。前回分の修正と合わせて直近3ヶ月平均が20万人程度を維持できていれば良い結果と言えるのではないでしょうか。
◆雇用統計の実績と予想
年月 2017
10 11 12
実績
非農業雇用者数変化(万人) 22.7 23.5  9.8 20.7 14.5 21.0 13.8 16.9 ▲3.3 26.1 22.8 14.8
失業率(%) 4.8 4.7 4.5 4.4 4.3 4.3 4.3 4.4 4.2 4.1 4.1 4.1
平均時給[前月比](%) 0.1 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.5 0.2 0.5 0.0 0.2 0.3
労働参加率(%) 62.9 63.0 63.0 62.9 62.7 62.8 62.9 62.9 63.1 62.7 62.7 62.7

年月 2018
10 11 12
実績 予想
非農業雇用者数変化(万人) 20.0 31.3 10.3 16.4 22.3 21.3 15.7 20.1 13.4 19.0
失業率(%) 4.1 4.1 4.1 3.9 3.8 4.0 3.9 3.9 3.7 3.7
平均時給[前月比](%) 0.3 0.1 0.3 0.1 0.3 0.2 0.3 0.4 0.3 0.2
労働参加率(%) 62.7 63.0 62.9 62.8 62.7 62.9 62.9 62.7 62.7 -
今回(11月2日発表)の戦略



【要点】リスクイベント控え、今年高値圏では押し返されやすいと見て戻り売り!
◆雇用統計の結果
※表の見方
結果:非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったときは 〇、下回った時は ✖
当日:日足でみて、上昇か下落

前回の雇用統計では歴史的な失業率の改善や8月分の雇用者数の大幅な上方修正を受け、米長期金利が2011年以来の3.2%台へ上昇しました。ただ、急激な金利上昇に警戒感が現れ、米国株価は値幅を伴った下落となると世界的に株安が連鎖しました。その結果ドル円は111円台まで足早に下落しました。その後のドル円は111円で底堅く推移すると10月30日には米長期金利上昇や株高を受けドル買いが強まり113円台に復帰しています。


米長期金利は現時点では3.1%台で推移しており、雇用統計において利上げ加速を意識させる内容の結果となれば再度3.2%台への上昇も視野に入りそうです。そうなった場合、米長期金利の上昇と共にドル円はもう一段の戻りを試しそうです。しかし直近のドル円は株価に対して連動する傾向が強めであったことには注意が必要で、米国株価が長期金利上昇を嫌気して下落する場合には9月雇用統計後のようなリスク回避の動きになる可能性があり、上昇への順張りは注意が必要かもしれません。


なお、週明け11月6日には米中間選挙が控えています。選挙に向けてトランプ大統領からの保護主義的な発言が行われる可能性もあり、リスク回避の円買いも想定されます。不透明感が残る中ではポジションを積極的には傾けづらいでしょう。ドル円が上昇した場合には週末要因と合わさり売られやすい状況になるものと見ます。もし114円台へ復帰すれば売り場探しを考えたいところです。

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