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執筆日時:2018年9月6日 11時00分
米国雇用統計の予想と戦略


9月7日(金)21時30分は米雇用統計。米雇用統計と言えば、FX投資家ならば誰でも知っている月に一度のビッグイベントです。米国の金融政策に直結するだけに、発表前後には為替相場が大きく動くことが多く、市場参加者の関心も高くなっています。


前回(8月3日発表)のおさらい


7月雇用統計(8月3日発表)は、、非農業部門雇用者数が市場予想の19.5万人増を下回り15.7万人増と弱い結果となりました。ただ、前月分の雇用者数が3万人程度上方修正され直近3ヶ月平均は20万人を上回る水準を維持しています。その他、失業率は先月の結果から改善し、平均時給も前月比が前回結果から伸びを示しましたが、前年比は前回結果と変わらずとなりました。依然としてインフレ圧力の高まりが感じられない結果となり、非農業部門雇用者数の減少を材料としてドル円は小幅に下落することとなりました。
[前回発表前後の米ドル/円の動き]
出所:上田ハーロー, Bloomberg
今回(9月7日発表)の見どころ


■非農業部門雇用者数
今回の市場予想は19.1万人と、減速した前回の結果からの持ち直しが見込まれています。注意すべき点としては、通商問題に絡んだ不透明感が企業の採用活動に影を落としているとの観測があること。仮に弱めの数字となった場合には企業の採用活動が手控えられると推測でき、今後の米労働市場、ひいては米の金融政策への影響が懸念されそうです。一方、市場の予想通り、今回がまずまずの内容ならば前回の弱い結果は一時的なものであったとの認識となりそうです。完全雇用に近い中で、労働市場の堅調さが改めて示される結果となるかどうかに注目です。


■平均時給
市場では前月比0.2%の伸びと前月の同0.3%の伸びから鈍化を予測しています。先月までの伸び率の推移は底堅いといった印象で、企業は、米中通商問題などに対する不透明感から、先行きに対し慎重な姿勢を持っていると思われ、上昇が加速するという兆候があるとは言い辛い状況です。しかし、最近の企業動向は、労働需給が幅広い業種で逼迫している(米地区連銀報告)ため、報酬面などでの改善を行い、より優秀な人材確保に動いているという別の見方もありますので、利上げ織り込み済みの9月FOMCの後、さらなる利上げを正当化させるような強い数字になるかもしれません。



今回(9月7日発表)の戦略


基本ドル買い目線!下落は買い場、レンジ上限の上抜けとなるか注目!


年月 2018 2017
12 11 10
予想 実績
非農業雇用者数変化(万人) 19.1 15.7 21.3 22.3 16.4 10.3 31.3 20.0 14.8 22.8 26.1 ▲3.3 16.9 13.8 21.0 14.5 20.7
失業率(%) 3.8 3.9 4.0 3.8 3.9 4.1 4.1 4.1 4.1 4.1 4.1 4.2 4.4 4.3 4.4 4.3 4.4
平均時給[前月比](%) 0.2 0.3 0.2 0.3 0.1 0.3 0.1 0.3 0.3 0.2 0.0 0.5 0.2 0.5 0.2 0.2 0.2
労働参加率(%) - 62.9 62.9 62.7 62.8 62.9 63.0 62.7 62.7 62.7 62.7 63.1 62.9 62.9 62.8 62.7 62.9



※表の見方
結果:非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったときは 〇、下回った時は ✖
当日:日足でみて、上昇か下落



7月雇用統計後からは米中通商問題への懸念が再燃したことや、トルコリラの暴落に端を発した新興国通貨の下落によりリスクオフの動きが先行し、ドル円は冴えない動きが続くと、一時110円を割り込む場面も見られました。しかし下値は堅く200日移動平均線に支えられ、それまでの懸念材料が一旦後退したことでドル円は反発し112円手前まで上昇しています。月を通してみるとドル円は111円を中心とした上下1円程度の狭いレンジでの振幅となりました。

このところ、新興国通貨の下落などを背景としたドルへの資金還流がおき、リスク回避でのドル買いの動きが活発となっています。また一般的に言われるリスク回避での円買いの動きもあり、ドル円は狭いレンジでの膠着状態が続いているものと推測されます。足許の米GDP改定値やISM製造業景況指数などで米経済の好調さが確かめられたことで極短期的にはドル買い方向に傾きやすい状況であると考えます。

ドル/円では雇用統計の結果がテクニカルのポイントの上抜けと、上昇加速の着火剤となるかに注目です。短期的なレンジ上限である112.00円には日足ボリンジャーバンド+3σが位置しており上値抵抗が強いと思われますが、ボリンジャーバンド+3σは発散(バンド幅が広がる状態)に向かい始めており、徐々に上値余地が拡大していきます。しっかりと112円台を回復できればバンドウォーク(バンドに沿って上昇)も期待できるかもしれません。追っかけ買いには注意を要しますが上昇トレンドの入り口になる可能性もあり、しっかりと見極める必要がありそうです。

今月のFOMCでは利上げが見込まれており、日米金利差の面からもドル買いに軍配があがるでしょう。そのため、雇用統計が冴えない結果となったとしても今月の利上げ見通しが後退しかねない大きな下振れでも無い限り影響は限定的と思われ、むしろ冴えない結果は下値を拾うチャンスになるかもしれません。





【今後の米国雇用統計発表予定】

・2018年  9月7日(金)21時30分発表(サマータイム)
・2018年10月5日(金)21時30分発表(サマータイム)
・2018年11月2日(金)21時30分発表(サマータイム)
・2018年12月7日(金)22時30分発表(標準時間)

日時は日本時間です。経済指標発表日時は予告なく変更される場合があります。




【バックナンバー】

【2018年  8月3日(金)発表】米国雇用統計の予想と戦略

【2018年  7月6日(金)発表】米国雇用統計の予想と戦略

【2018年  6月1日(金)発表】米国雇用統計の予想と戦略

【2018年  5月4日(金)発表】米国雇用統計の予想と戦略

【2018年  4月6日(金)発表】米国雇用統計の予想と戦略

【2018年  3月9日(金)発表】米国雇用統計の予想と戦略

【2018年  2月2日(金)発表】米国雇用統計の予想と戦略

【2018年  1月5日(金)発表】米国雇用統計の予想と戦略

【2017年12月8日(金)発表】米国雇用統計の予想と戦略

【2017年11月3日(金)発表】米国雇用統計の予想と戦略



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