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執筆日時:2018年8月1日 14時00分
米国雇用統計の予想と戦略


8月3日(金)21時30分は米雇用統計。米雇用統計と言えば、FX投資家ならば誰でも知っている月に一度のビッグイベントです。米国の金融政策に直結するだけに、発表前後には為替相場が大きく動くことが多く、市場参加者の関心も高くなっています。


前回(7月6日発表)のおさらい


6月雇用統計(7月6日発表)は、非農業部門雇用者数が市場予想の19.5万人増を上回る21.3万人増と、先月に引き続き20万人以上増の好結果となりましたが、労働参加率が前月から上昇に転じていたこともあり、失業率は4.0%と昨年7月以来の悪化となっています。
最も注目される平均時給は前月比0.2%、前年比2.7%と緩やかな上昇は継続しているものの、力強さは感じられない結果でした。
強弱入り交じる内容となる中、冴えない平均時給が米長期金利の低下に繋がりドル円の上値を抑える格好となると、ドル円は110.60円台から110.40円台へ弱含み、一時持ち直す場面もあったものの、米通商問題への不透明感が戻りを鈍くしたことで、NYクローズは110.40円台で迎えることになりました。
[前回発表前後の米ドル/円の動き]
出所:上田ハーロー, Bloomberg
今回(8月3日発表)の見どころ


■非農業部門雇用者数
今回の市場予想は19.5万人増と、前回の結果から鈍化する見込みとなっています。とは言え予想並だとしても直近3ヶ月平均は20万人増の水準を維持することになり、労働市場のスローダウンが意識される内容ではないと思われます。雇用者数の増減については注目度が低下していることもあり、14万人以下など、3ヶ月平均が20万人を下回るような大幅な下振れとでもならない限り、材料視はされにくいでしょう。


■平均時給
7月31日に発表された4-6月期雇用コスト指数が前期比0.6%(1-3月期は同0.8%)の伸びに低下していたことで、平均時給の伸びが抑えられている可能性がありますが、市場は前回実績と同水準を見込んでいます。予想通りの結果となれば賃金上昇でのインフレ加速について意識はされにくいと思われ、米長期金利の低下からドル安要因となる可能性があります。一方で、金利上昇が意識されないということは米国株にとってはポジティブ要因となり、株価の上昇がドル円の下支えとなることも考えられます。また事前に行われるFOMCでFRBの強気姿勢を確認できているとすれば、予想並の結果でも年内2回の追加利上げ観測は維持され、こちらもドル円のサポート要因となりそうです。インフレの減速を意識させる結果とならなければドル売りには繋がらないかもしれません。



今回(8月3日発表)の戦略


ドル円は買い目線!ただ高値掴みには要注意!


年月 2018 2017
12 11 10
予想 実績
非農業雇用者数変化(万人) 19.5 21.3 22.3 16.4 10.3 31.3 20.0 14.8 22.8 26.1 ▲3.3 16.9 13.8 21.0 14.5 20.7
失業率(%) 3.9 4.0 3.8 3.9 4.1 4.1 4.1 4.1 4.1 4.1 4.2 4.4 4.3 4.4 4.3 4.4
平均時給[前月比](%) 0.3 0.2 0.3 0.1 0.3 0.1 0.3 0.3 0.2 0.0 0.5 0.2 0.5 0.2 0.2 0.2
労働参加率(%) - 62.9 62.7 62.8 62.9 63.0 62.7 62.7 62.7 62.7 63.1 62.9 62.9 62.8 62.7 62.9



※表の見方
結果:非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったときは 〇、下回った時は ✖
当日:日足でみて、上昇か下落



7月雇用統計後からはドル高が進行し、一時は年初来高値を更新するかと思われましたが、トランプ大統領によるドル高牽制発言や日銀の出口議論への思惑などから高値を目前に111円割れの水準まで下落しました。米通商問題などへの不透明感が残る中、ドル安に傾くかと思われましたが、110円台半ばでの底堅い動きを保っています。


7月31日に行われた日銀金融政策決定会合を巡ってドル円は乱高下したものの、下値は110円台後半と限定的となりました。そして、その後は急落後の戻り高値を超える上昇となり、110円台での底堅さが印象的付けられた格好です。また、会合後には本邦長期金利が2016年6月24日以来の5bp以上の大幅低下となったこともあり円買い意欲は抑えられています。こうしたことから足許では円が売られやすい状況にあると思われます。また先月発表された米4-6月期実質GDPは約4年ぶりの高水準となり、景気の拡大が伺えるものでした。7月雇用統計でも米経済の拡大傾向が確認されればドル買いムード再燃で再び年初来高値を狙う動きの初動になるものと考えます。


一方で雇用統計が冴えない結果となった場合ですが、ドルが売られたとしても、足許の円売り地合いや日米金利差から積極的に円を買う動きにはなりにくいと思われます。前述のような底堅い動きが期待できるため26日安値110.60円付近をストップロスのラインとして下落場面は押し目買いを狙って良いでしょう。


今回の雇用統計ではドル買いが基本路線となると予想しますが高値掴みにならないように注意をしたいですね。





【今後の米国雇用統計発表予定】

・2018年  8月3日(金)21時30分発表(サマータイム)
・2018年  9月7日(金)21時30分発表(サマータイム)
・2018年10月5日(金)21時30分発表(サマータイム)
・2018年11月2日(金)21時30分発表(サマータイム)
・2018年12月7日(金)22時30分発表(標準時間)

日時は日本時間です。経済指標発表日時は予告なく変更される場合があります。



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