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執筆日時:2018年5月30日 12時20分
米国雇用統計の予想と戦略


6月1日(金)21時30分は米雇用統計。米雇用統計と言えば、FX投資家ならば誰でも知っている月に一度のビッグイベントです。米国の金融政策に直結するだけに、発表前後には為替相場が大きく動くことが多く、市場参加者の関心も高くなっています。


前回(5月4日発表)のおさらい


4月雇用統計(5月4日発表)は、非農業部門雇用者数が市場予想の19.2万人増を下回る16.4万人増と二ヶ月連続で市場予想を下回りました。失業率は前月から改善し2000年代以来の低水準となりましたが、労働参加率がわずかに弱い結果となっています。注目されている平均時給の結果は、前月比0.1%、前年比2.6%と予想を下回る結果となった上、前回結果が下方修正されました。全体的に弱めの内容で期待はずれと言える結果でしたが、市場の目が米中通商問題など外部要因に向いていたこともあり、下押しは限定的となりました。
[前回発表前後の米ドル/円の動き]
出所:上田ハーロー, Bloomberg
今回(6月1日発表)の見どころ


■非農業部門雇用者数
今回の市場予想は19.0万人増となっています。4月雇用統計では市場予想値を下回ったものの、3月分が上方修正(10.3万人→13.5万人)されたことにより直近3ヶ月平均が20万人以上の水準を維持しました。今回は結果が予想通りでも3ヶ月平均が20万人以上となりませんが、悪天候の影響を受けた4月の結果が含まれるため致し方ないとの見方もできます。よほど下振れした結果でなければ売り材料とはならないと思われます。


■平均時給
前回は平均時給が前月比・前年比ともに市場予想を下回っており、賃金上昇が緩やかであることが示されました。5月FOMC議事要旨で、一部のメンバーが賃金関連指標から労働市場が加熱している証拠がほとんど得られていないとの見方を示しており、今回の結果が前回同様の冴えない結果となった場合は年内の利上げペース加速への期待感がいくらか後退する可能性があります。その場合は米長期金利の低下からドル円が下値を模索する展開になりかねません。現在、3%台から反落している米長期金利が再び上昇に転じるか、更に下押しすることとなるか、インフレ関連指標である平均時給の結果にかかっていると思われ、要注目です。



今回(6月1日発表)の戦略


基本的には売り目線、値ごろ感でのロングに注意!


年月 2018 2017
12 11 10
予想 実績
非農業雇用者数変化(万人) 19.0 16.4 10.3 31.3 20.0 14.8 22.8 26.1 ▲3.3 16.9 13.8 21.0 14.5 20.7
失業率(%) 3.9 3.9 4.1 4.1 4.1 4.1 4.1 4.1 4.2 4.4 4.3 4.4 4.3 4.4
平均時給[前月比](%) 0.2 0.1 0.3 0.1 0.3 0.3 0.2 0.0 0.5 0.2 0.5 0.2 0.2 0.2
労働参加率(%) - 62.8 62.9 63.0 62.7 62.7 62.7 62.7 63.1 62.9 62.9 62.8 62.7 62.9



※表の見方
結果:非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったときは 〇、下回った時は ✖
当日:日足でみて、上昇か下落


111円台半ばまで上昇したドル円でしたが、朝鮮半島の地政学的リスクや欧州政治リスク、米長期金利の3%台からの反落によりドル円は108円半ばまで押し戻されました。今週は上窓を開けて始まったものの、そこを戻りいっぱいとして反落しており上値が重い状況が伺えます。目先で意識される下値は3/26-5/21上昇の半値押しの水準でもある、節目の108.00円でしょう。ただ、既に108.50円を割り込むまで下落しており、リスクオフムードの高まりなどで雇用統計を前に108円を割り込む可能性も否定できません。


●108円を維持して迎えた場合
この場合は雇用統計が弱い結果となることに注意が必要でしょう。欧州政治リスクが燻り、リスクオフムードも感じられる中で下落に勢いがつく可能性があります。半値押しは全押し、の格言もあり108円をしっかり下抜けた場合には値頃感で買わないほうが無難でしょう。一方、強い結果の場合には108円をサポートとして買われる展開が予想できます。ただ雇用統計の結果だけをもって再び111円を目指す動きになるとは考えにくく、各節目では戻り売り圧力にさらされることとなりそうです。


●108円以下で迎えた場合
多少強い結果となったとしても、6月FOMC会合での利上げはほぼ織込まれており、ドル円の上昇余地は限られそうです。9月FOMC以降の織り込み度を大きく高める強い結果となれば話は別ですが、足元ではリスクオフムードも漂っており、戻り売りの絶好の売り場と捉えられそうです。弱い結果となった場合には再び108円をレジスタンスとした下値模索の動きが強まりそうです。





【今後の米国雇用統計発表予定】

・2018年  6月1日(金)21時30分発表(サマータイム)
・2018年  7月6日(金)21時30分発表(サマータイム)
・2018年  8月3日(金)21時30分発表(サマータイム)
・2018年  9月7日(金)21時30分発表(サマータイム)
・2018年10月5日(金)21時30分発表(サマータイム)
・2018年11月2日(金)21時30分発表(サマータイム)
・2018年12月7日(金)22時30分発表(標準時間)

日時は日本時間です。経済指標発表日時は予告なく変更される場合があります。




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